【淡路島・移住者紹介 #006】7年かけたから創れた「地元に愛される宿」という最高のカタチ

2019年12月18日

INTERVIEW #006
北川さん(1975年生)/2012年、東京都から淡路島に移住。農業や観光業などの仕事を経て、2019年12月、「梅木屋」を再生。念願の宿泊業をスタートさせようとしている

淡路島の移住者の中には、淡路島で実現したい「夢」を持っている人がいる。

今回ご紹介する北川さんも、その一人だ。

ただ、すぐに夢がカタチになったわけではない。

「淡路島でゲストハウスを作りたい!」と移住して、実に7年かかったそうだ。

7年というと、子供が生まれて小学生になるくらいの歳月。

せっかちな僕には到底我慢できそうにない。

しかし、北川さんは「7年かけて本当によかった」と話してくれた。

淡路島に移住したキッカケ

「若い頃、ゴリラ(HONDA)で日本を一周したり、バックパックひとつでアジアを旅したりしていて。当時の自分のような旅人が泊まれるゲストハウスを、日本のどこかで運営したいと思ったんです。それで、伊勢(三重)と尾道(広島)、淡路島の3つに候補を絞った。

その中で、自然豊かな淡路島に決めたんですけど、僕にはお金もコネクションもなかったので、本当にゼロスタートだった。

結果として7年という年月が経ちましたが、たぶん最初からゲストハウスを持つことができていたら、そう長くは続かずに失敗していたと思うんです。

僕にとっては全部必要な時間(経験)だったと思えるんですよね。奥さんとも出会えたし(笑)」

北川さんが淡路島に移住して、初めて就いた仕事は農業。神戸に行商に行っていた際に、出会ったのが最高のパートナーであるアヤノさんだ。

「4年前に結婚。今は子供もできて、時間経過と共に少しずつ夢のカタチも変化していきました。相部屋ではなく個室。子供が安心して遊べる空間があって、大人もくつろげる場所。僕らのような子育て世代がなるべくリーズナブルに泊まれる宿を目指そうと。

よくよく考えると、淡路島には有名なリゾートホテルがたくさんあるし、ゲストハウスも既にあるんです。ただ、その間を埋める中間的なポジションの宿泊施設は殆どない。もし実現できれば、淡路島で新しい価値を提供できると思いました」

そんな構想を思い描く北川さんに、淡路島で旅館を営んでいた建物「梅木屋うめきや」を借りられる話が舞い込んできたのだから、きっと運命なのだろう。

この建物は五色エリアでは知らない人がいないほど。「うめさん」の愛称で、地元で親しまれる旅館だったらしい。

梅木屋

北川さんは、友人たちの力もかりながら、建物を約9ヶ月かけてリノベーション。2019年の夏に完成を予定していたが、納得いくカタチを求めて年末にまで作業が膨らんだ。

宿という業態だからこそ、収入面を考えれば夏に営業を開始したかったのが本音だろうが、ここでも北川さんは前向きに捉えていた。

北川さん

「毎日、毎日、誰かが出入りしてて。朝から夕方まで、トンカン・トンカンしていると、何やってんだ?って地元の人たちが覗きにくるんです。リノベーションしていたこの9ヶ月間、本当にたくさんの方が心配してきてくれて。いろんな交流が生まれました。

多くの方から「梅の木さん」の思い出話を聞けましたし、本当に愛されていたんだなぁって」

北川さんに話を伺ったこの日は、梅木屋のお披露目会。

各所に、写真立てが置かれていた。

フレームの中にあるのは、昔の「梅の木さん」時代の写真。

この日も、たくさんの地元住民の方が訪れ、これらの写真を見て思い出話に花を咲かせていたことは言うまでもない。

一日中おもてなしをしていた二人は大変だったはずだが、僕の目には楽しそうに見えた。

北川さんは建物だけでなく、「梅木屋」という屋号も引き継ぐことを決意。今後は本格的に宿泊業をスタートさせる。

現在の仕事について

梅木屋1Fにある大広間。ここでは地元の人の冠婚葬祭や宴会がひらかれ、すぐ裏に住むおばちゃんが結婚披露宴を行なった場所でもあるらしい。

大広間を仕切りで区切れば、新たに3部屋の客室を作れる。しかし、北川さんは地元の人たちの思い出が詰まったこの場所を残した。

この選択は、梅木屋の経営スタンスそのもの。淡路島で7年暮らした北川さんだからできた選択だと思う。

北川さん

「僕らは地域の方々と一緒に成長したい。だから、「梅の木さん」の趣も可能な限り残しました。

長く淡路島にいると、本当に人の繋がりの大切さを痛感しますし、地域の方々に育ててもらっている面が大きい。梅木屋を運営するにあたっては、最大限地域に貢献できるスタンスを取りたいし、それが合理的だと思うようになったんです。

過度なサービスは人的リソースが乏しい淡路島では継続できない可能性も分かってきて。昼食や夕食の提供をせずに、素泊まりスタイルの運営に決めたのも、その一環。旅行の醍醐味は普段と異なる土地へ赴いて、その空気を感じて、その土地の食を味わい、暮らしを見ることだと思うんです。宿はそれを手伝う役割でいい。

地元のおいしい素材は、地元の料理人が一番おいしい食べ方を知っていると思うし、実際自信を持っておすすめできるお店がたくさんあります。梅木屋のお客様には、最高の淡路島を堪能してもらいたいし、地域も潤う。

それに僕自身、淡路島の観光協会で2年働いていましたからね。島全体の観光スポットやグルメ情報などは定番から穴場まで、たくさん知っています。農業の就業経験もあるので、タイミングが合えば体験観光を紹介できるかもしれないですし、この7年で多方面にネットワークが広がりましたから、一組一組のお客様に合った淡路島の最新情報を提供する自信はあります」

意外に思うかもしれないが、昔から淡路島に住む人たちは、淡路島の魅力に気がついていないことが多い。移住者として観光客視点を持っていることも、北川さんの強み。しかも観光のプロとして第一線で活躍していたのだ。

さらに、梅木屋の客室を見せてもらって、驚いた。

客室は、わずか5部屋。建物の大きさからすれば部屋数が少なく、とても贅沢な仕様だ。

梅木屋の客室

自分たちの利益を追求するなら、こうはならないだろう。

「5部屋でも採算が取れるシミュレーションはできていますが、実際の不具合はスタートしてから修正していきます。まずは、僕らが目指している理想の宿のスタイルでスタートさせたい。この場所で、一組一組のお客様にくつろいでもらって。淡路島を満喫できる拠点になればと思っています」

梅木屋のロビー

梅木屋に泊まるお客様は、このゆったりした空間に加え、もれなく北川さんにディープな観光情報をいただけることになる。淡路島で人気の宿になることは間違いないと思う。

そして観光客からの人気だけでなく、地元から長く愛される宿になるはずだ。

お披露目会のこの日、訪問台帳を見ながら北川さんの発したこの言葉がとても印象的だった。

「五色の人がたくさん来てくれたことが、一番嬉しいんですよ」

北川さん

梅木屋の予約方法

ホームページなどは制作中。現在は、メールか電話での予約になります。

不明な点は、SNS(インスタグラム)で問合わせることも可能です。

電話番号0799-30-3180
E-mailumekiya@gmail.com
SNS(インスタグラム)https://www.instagram.com/awaji_umekiya/

北川さんの、淡路島のココがおすすめ!

【お多福】

「梅木屋から歩いて5分もかからない場所なんですが、地元の旬の素材をふんだんに使ってくれる地元で人気の食堂です。淡路島の鮮度の良いサワラ丼とか、おすすめですよ」。

サワラ丼

お多福には、僕も食べに行ったことがあり、過去に記事にもしています。もしよろしければ、こちらもどうぞ。

北川さん、お忙しい中、ご協力ありがとうございましたー。

このブログを書いた人

淡路島BASE(みやうち・ふとし)

家族で淡路島に移住して3年。仕事も遊びも、好きなことだけしながら生きていきたい派です。淡路島が大好きになったので、当サイト「淡路島に移住してから」で淡路島の魅力を発信していきます!「プロフィールはこちら